ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


信雄 僕が高校生位の頃、メンズファッションのJUNやVANが全盛の時代で、毎週のように土曜日はおしゃれをしてゴーゴー喫茶に通うというような感じでした。ですからファッションにめざめたのは高校生ということになります。高校卒業後、県内の服飾関係に就職しましたが、東京の縁の下の力持ち的なポジションにあったものですから、3年を経た頃、何か悶々としていたんですね。そこで、思いきってボーナスを全額注ぎ込んでハワイ旅行に出かけたんです。気分転換になって自分を見つめることができたんでしょうね。ハワイで決めたこと、それは自分の店を持とうと、そのためには東京へ出ようと決心しました。それから5年半、当時、ファッション業界では憧れだったミツミネという会社に入社しました。スロースターターで、当初の1年はなかなか売り上げに結びつきませんでしたが、先輩方の仕事ぶりを見ていておおよその流れがわかったところで、これは素直であることが一番大切だなと。それからは仕事が楽しくなり、売り上げ成績のトップを走り続けました。自慢になりますが(笑)4つあるフィッティングルームをフル回転させて1日120万円を売ったこともありました。 清子 私は高校卒業後、日産自動車に事務職として入社したんですが、事務職が向いていなかったらしく、つまらないなと思っていたところ、友人がミツミネにいまして、募集しているという話しを聞き、お洋服が好きだったもので、もう喜んで入社しました(笑)。



信雄 帰沖してからショップに2年程勤務。その後、念願の自分のショップを浮島通りにオープンさせました。地方の沖縄だからという意識は全くなく、自分のセンスを信じて自分ががいいと思ったものを置くという方針は、当初から決めていました。それも大上段に構えるのではなく、当然そうあるべきだということでしたね。 清子 私は本土から嫁いできましたが、順応性があるんですかね?(笑)きれいな海を見て、こんなに美しい所に住めるなんてラッキーという感じでしたね。今、振り返ってみると、結婚とショップのオープンがほぼ同時期で、沖縄で私の第2の人生がスタートしたことになりますね。ショップ展開については、先ほども話しが出たように、沖縄だから、地方だからという感覚は全くなく、2人のセンス本位でこれまで来ました。 信雄 そうですね、沖縄にないものとか東京に負けないものという相対的な考え方ではなく、絶対評価で動いております。1980年に1店舗目をオープン。おかげさまで、開店当初からファッションが大好きだというお客様にご愛顧いただいております。当時はDCブランド全盛の時代で、沖縄もおしゃれな大人がたくさんいました。その中でセレクトショップの役割とは、我々のセレクトアイとお客様のセンスが合致して、少し大げさですが、お客様のライフスタイルに少しでもお役に立てればというところでしょうか。第一歩であるローブ・ハウスから、現在、フロート、さらにはポール・スミス、マーク・ジェイコブスと、展開しています。

信雄 昔も今もですが、まず雑誌を見て流行を意識して商品選びの参考にするということはありません。自分の眼で見て、さわって、自分がいいと思ったものだけを選んでいます。年2回はパリコレに出かけ、最先端の「今」を感じています。ヨーロッパの都市やニューヨークにも度々出かけ、ファッションの「今」を感じています。東京へはほぼ毎月、多い時は月3回出かけています。たいていの場合、2泊3日で、1回に約20件のメーカーに出かけます。なかなかのハードスケジュールです。そこで、これはと思ったら必ず試着して、着心地を確かめます。 清子 洋服はデザインだけではないんですね。しっかりした縫製がなければ、本物のデザインとはいえないと私達は考えます。 信雄 でも、大体、見た目でこれはと思ったものは、デザインだけでなく縫製もすべて完璧ということが多いですね。おかげさまで開店以来のお得意様もいまして、お客様の顔を頭に置いて、合致するものがあったら、そのお客様のためにキープするということもあります。

信雄 美容室に行ったら、カッコイイ髪型をしている人に担当してもらいたいと思うはず。でも、その髪を作っているのはその人自身ではないわけです。このエピソードを話して、人は外見でのみ判断するものだから、頭から爪先までいつもきちんとしなさいということは言います。 清子 スタッフを訪ねてお友達が来店することがありますが、お客様と重なった場合は、お客様を優先しなさいということも言いますね。 信雄 販売については教えるが、それ以外は他で覚えろと。つまり、すべてが勉強だということですね。例えば、自分が接客を受ける立場で、いい思いも悪い思いも経験するはずです。だったら、いい思いをした経験を活かせということです。

清子 各々が自分を演出するための最大の小道具だと思います。それぞれに好みがありますから、自分がこれだと思った洋服を楽しんで着る、ということではないでしょうか。それによって日々をよりよく過ごせるひとつの要素になればよろしいのではないでしょうか。 信雄 我々の洋服のとらえ方は、イコール着物なんですよね。着物は、代々受け継がれるほど長く着られるものですよね。コーディネートに変化をつけて、いいものを長く着ることが我々の考え方です。

信雄 ファッションの仕事に関わってから30年。若い頃からずっと好きな洋服に関わる仕事ができていて、ありがたいことに、夢は叶っていますかね(笑)。 清子 まあ、長い間には危機も何度かありましたが、いつも好きなお洋服に囲まれて仕事ができて幸せだと思います。
 

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 時代の流れや誰かのフィルターを通した情報に振り回されず、自分自身の感覚だけを信じて生きてきた「カッコイイ大人」のお手本という印象を持ちました。長きに渡って好きなことを仕事にしてきた中には、葛藤や紆余曲折があったはず。それを乗り越えさせたものは、やはり、一番大切なことだけをみつめてきた潔さなのでしょう。

 
●パーソナルデータ●
  

大城 信雄
出身地/糸満市 
趣味/ビリヤード・スポーツジム通い

大城清子
出身地/東京都
趣味/スポーツジム通い

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  1977/MITSUMINE入社
1980/ROBE HOUSEスタート
   
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