ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


 ありがとうございます。実は当初あまり、実感がなかったのですが、写真の仲間や友人、知人からの祝福の電話が続き、大きい賞をいただいたんだなと喜びがじわじわと湧いてきたというところです。



 皆さん、旅行に出かけた時や結婚式、運動会など、行事や人生の節目にスナップ撮影しますよね?スタートは私もそんな程度です(笑)。本格的にスタートしたのは、定年退職した後です。何か趣味を持とうと三味線や絵画などをやってみたのですが、なかなか続くものがなかったんです。そんな中、若い頃から写真撮影するのが好きだったことを思い出し、写真教室に通うことにしたのです。今から3年前のことですね。これがなかなか面白くて、次第にのめり込んで行きました。そして、2004年、海に関する被写体を対象とした公募展、「第16回マリナーズアイ」で佳作となりました。タイトルは「漁労長」。在住している読谷村都屋の海で働く漁労長のたくましい姿を撮影させていただきました。これが最初の受賞となりまして、その後9つの賞をいただき、今回の受賞が10回目となりました。



 タイトルは「終焉」です。これは、読谷村の「象のオリ」が解体されることを聞き、自宅から5分のところにあるものですから、その事実を、記録しようと考えたのです。思い立ってからさまざまな時間帯で撮影したくなり、午前3時に出かけたこともありました。まわりからはのめり込んでいるように見えたようですが、私は夢中だったのか、あまり大変だという意識はなかったですね。返還が決定したのが昨年9月のこと、11月から撮影を始めて今年6月まで、7ケ月間、ほぼ毎日出かけていました。使用したポジフィルムは600枚。今、こうして振り返って数字だけみると膨大な数ですね(笑)。私は那覇の生まれで、家内の出身地である読谷村に住み始めて36年を経ますが、読谷村に住んでいたからこそ、この歴史の瞬間を撮影できたのだと感謝しています。



 今のところ、ありませんね(笑)。スタートした時はそれほど意識してなかったのですが、「象のオリ」というテーマが、あまりにも大きかったのかもしれません。これまでも、長く意識するというよりも、ピピッとインスピレーションが湧くということが多かったので、また新しいテーマに出会えることが楽しみでもあります。余談ですが、受賞したことで、結婚式などでスナップをお願いされると、ちょっとプレッシャーがかかるというのはあります(笑)。  私は、昭和14年、那覇で生まれて、戦時中は熊本に疎開していました。幼かったので、あまり戦争の記憶はないのですが、やはり、ウチナーンチュとしてこれを意識せずにはいられません。今回は、「象のオリ」がテーマでしたが、今後もおそらく、沖縄の歴史・文化に着目する機会があるでしょう。これまでも、那覇大綱引き、辺野古、ウンジャミなどをテーマに撮影してきましたが、その度に沖縄の歴史・文化の生の空気を肌で感じたものです。

 長く頑張って働いてきた自分を見つめ直して、もうひとりの自分をみつけてみてもいいのではないでしょうか?何をやっていいかわからなければ、少しでも興味があるものを気軽に始めてみたらいいと思います。一度始めたら頑張らなければと思わず、合わなければまた次ということでも構わないと思います。私もそうでしたから(笑)。もし、写真を始められるのであれば、やはりスタート時は写真教室に通って基本をプロの先生に教えていただくことがよろしいかと思います。そして、仲間を持つこと。私も最初通っていた写真教室の仲間と、今でもグループで祭りを撮影しに行こうと誘われたりして、きっかけを作ってもらっています。同じ趣味を持つ仲間同士で情報交換もできますし、同時にライバルとして刺激にもなります。仲間は、60歳代。人生の中で悠々自適に過ごせる時間を、自在に動ける友人をつくることができて私は幸せだと思います。実は、50代で腎臓がんを体験しておりまして、元気に写真撮影できる今に感謝しています。皆さんも無理しない程度に、若い時、仕事でできなかったことをされてみてはいかがでしょうか。それには、家族の理解も大切ですよね。私も、写真は結構、費用がかかる趣味なので、家内に「やめようかな?」と言ったら、「頑張って続けて」と言ってくれたからこそ、今回の受賞の喜びもあったのです。家族には感謝しています。

 被写体を通して新しい発見があることですね。例えば、撮影をするために出かけた祭りで、今まで見たこともなかった人々のエネルギーや深い祭りの世界にふれることができるわけです。ドキュメントに生で接すること。これは大きな魅力ですね。また、撮影することで、後で追体験ができ、その感動を家族や友人などに披露できることも魅力ですね。

 ないですね(笑)。出かける時、今日はちょっと疲れているなという感じでも、カメラを持って現場に出かけ、被写体にシャッターを向けていると、元気になってきますね。出来上がりがうまくいかなくて、真っ白や真っ黒になっていたりすることもありますが、それは仕方のないことです。

 無理をせず私なりに、写真を楽しみながらやっていきたいですね。現在、実践と併せて、理論的に学ぶために通信講座も受けています。いいテーマがみつかることが夢ですかね?

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 穏やかに話される邊土名さん、60歳を越えて新しい自分をみつけると、人生はこんなにも豊かになるのだと感じました。隣りで微笑む奥様の姿が印象的でした。

 
●パーソナルデータ●
  

出身地/那覇市
趣味/写真
好きな言葉/感謝

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  2004/第16回マリナーズアイ佳作
2007/沖縄県芸術文化祭写真部門県知事賞受賞
   
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