ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


  緑茶を家業としていまして、祖父、父そして僕で3代目となります。子供の頃から緑茶の畑が遊び場でしたし、収穫の手伝いもしていましたので、志すというか、もう生活の一部だったんですね。中学1年生の時には、将来は、お茶で頑張っていこうとすでに決めていました。高校進学はしましたが、時間がもったいなくて中退し、お茶の仕事に専念しました。お茶以外考えられなかったですね(笑)。お茶を仕事にするうち、現場での経験を積む程、専門的に勉強したくなり、国立茶業試験場への進学を志しました。高校卒業していなかったので、大検を経て入学しました。



 栽培、加工、流通のすべてを通して学ぶことができました。国立茶業試験場は静岡県にありますので、沖縄とは気候、環境、地質などすべてが異なります。常に沖縄の環境と比較しながらという視点を持つことで、大変勉強になりました。これは、帰沖してから、ますます役立っています。  国立茶業試験場は1学年20人程で、全国から学生が集まってきます。僕のような2代目、3代目という茶業従事者から、問屋業、小売業、メーカーの方など、お茶を志すエキスパートが集まっていますので、いい刺激を受けました。農業をやっていると、どうしても外に出る機会が少ないのですが、国立茶業試験場では授業以外の時間も非常に貴重なものとなりました。自分に特化しているもの、足りないものがわかりましたし、地域によってモノの流れが異なることも学びました。もう、8年も前になりますが、今でもそのネットワークは活かされています。1人で全国の状況を調べようとしてもまず無理ですが、仲間に声をかけることで一気に情報が集まってきます。私が沖縄に住んでいるということで、全国の仲間が観光がてらよく遊びにくるんですね。もう、お茶談義に花が咲きますね(笑)。沖縄が仲間の情報の拠点になっているという状態です。今後、茶業を続けて行く中で、ますますこのネットワークが活かされて行くと思います。



 昔から、父に「沖縄は本当は紅茶がいいんだよな」ということを聞かされていました。紅茶は紫外線が強い地域が向いており、沖縄はまさに適しているわけですが、作り方や設備がよくわからなかったんですね。ご存じの方も多いと思いますが、緑茶もウーロン茶も紅茶も、すべて同じ茶葉からできるんですね。ですから、3代にわたって、80年間、沖縄で茶畑を持ち緑茶を作っており素地はあるので、これはぜひ学びたいと静岡に行く前から考えていました。帰沖してからずっと研究を重ね、2004年からテスト販売を実施、昨年から本格的に販売をスタートさせました。現在、県内リゾートホテル、カフェ、道の駅、インターネット通販で販売をしていますが「おいしいです」の反響の声をいただいており、大変喜んでいます。  弊社は、祖父の時代から手摘み無農薬有機栽培を貫いています。スタート当時は、今程、食の安全についての意識は高くなかったと思われますが、今となっては、祖父は大切な宝物を残してくれたと感謝しています。父の時代からは牛を飼い始め、牛の糞をたい肥とし、要らない茶葉は牛小屋の敷草にしています。無駄をつくらない循環型農業をめざしており、今後はさらに、太陽光発電、風力発電、雨水散水など、自然を活かしたロハスファームづくりを進めていこうと考えています。  残っているものはいいから残っているのだと思います。それも最初は新しい発想からスタートしたもの。ですから、怖れを為さず、まちがってもいいからやってみることって大切なことだと思うんですね。きっと、先人も同じように、若く、悩み抜いたと思うんです。まずは一歩を踏み出すことだと考えます。



 現在、商品は4種類です。中国の紅茶を連想させる「スモーキー」、作り手のこだわりが香る「職人仕上げ」、シンプルテイストの「ストレートティー」、印象的なコクと香りの「コク重視」となっています。  農薬を一切使用せず、自社開発機器及び独自製法によって沖縄県産100%の手摘み紅茶を完成できたことに、大変喜びを感じています。  手摘みですから、人の手が必ず必要ですが、収穫の際には、ご年輩のいわゆるシルバーの皆さんの手によって行っています。ご年輩の皆さんをと考えたのは、パワーいっぱい沖縄のおじい、おばあが働ける場があったらいいなと考えたからです。皆さんとても楽しそうに作業しており、こちらも元気になります。今後、若いスタッフが入ってきた時、ご年輩の方の経験と若い人の発想がうまく掛け合わさると面白いことができると考えています。いま必要なのは、まさにこのコラボレーションだと思います。どちらかひとつでは足りない…。今と昔を組み合わせることが一番新しいと思います。

 近々の目標はロハスファームを完成させることです。循環型農業を完成させるとともに、人々が集う観光農園ができたらと思います。沖縄は観光立県ですので、沖縄産紅茶を基軸に観光客の皆さんが楽しめる場づくりができたらと考えています。  もうひとつの夢は、まだまだ先になると思いますが、茶業から一旦離れてみたいということです。沖縄には、たくさんの宝の原石が眠っていると思います。紅茶もそのひとつだったと思います。それに気づくには、沖縄を離れてみることが必要だと思うのです。紅茶についても一旦沖縄を離れたからこそ、思いを深くしてスタートできたと思います。世界を見て回ることで、視野を広げ、さらなる沖縄の魅力を探したいですね。その中から、新たなお茶の魅力をみつけることもできるのではないでしょうか。

 

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 取材は、紅茶をいただきながら…。「おいしいですね」の一言に瞳を輝かせる山城さん。沖縄といえば紅茶という日がくるといいなと思うひとときでした。

 
●パーソナルデータ●
  

出身地/うるま市 
趣味/ドライブ、ウエイクボード
好きな言葉/少年よ大志を抱け

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  1927/茶業スタート
2004/紅茶のテスト販売実施
2007/法人化
   
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