
太一郎 友達に誘われて高1の時、中部工高自転車部に入ったことです。最初は、軽い気持ちだったので、まさかこんなに長く自転車に関わるとは思っていませんでした。
勝太 僕は北中高に進みましたが、太一郎が自転車をやってはいましたが、高校入学当時、とくに部活に対して燃えていたわけではありませんでした(笑)。太一郎が自転車競技をしているからという理由からか、自分の教室まで、自転車部への勧誘にきてくれたりしました。断ろうと思って競技場に出向いたんですが、その場の空気におされて入部することにしました(笑)。最初は必死にこぐだけ。ルールも何もわからないままに高1の時、インターハイに出場しました。その時、太一郎は高3で、やっぱり早い訳です。何でこんなレース運びができるんだろうと、次第に自転車にのめりこんでいくようになりました。実は、高2までは、タイムが伸びず、高2の新人戦で初優勝し、高3のインターハイで優勝することができました。その後、日体大に進学、インカレで4位、5位という位置にありました。卒業して1年間は、東京の競輪選手の弟子になって、プロをめざしていましたが、当時僕は既に24歳、平均年齢21歳という世界で、競輪学校に入学するには年齢制限もありましたので、沖縄に帰ることにしたのです。
太一郎 僕はインターハイで3位になって、自転車の面白さがわかってきた2年の時、骨折し不出場の時期がありましたが、その後、トレーニングがじっくりでき、1kmのタイムトライアルで沖縄県高校新記録を出しました。でも、自転車は高校生活のいい思い出みたいな感覚で、高校卒業し、普通に就職しました。

太一郎 就職してしばらくしてからのことです。中城から浦添まで車で通勤していたのですが、ある時、車が故障してしまい、自転車通勤することになったのです。その時、やっぱり自転車っていいなって思うようになりました。眠っていた競技への夢が再び湧き、母校の中部工高で指導にも入りました。
勝太 僕も悩み迷いながらも心には自転車に対する思いがあり、沖縄に帰ってからも、自転車は続けていました。その後、就職した会社の社長がスポンサーになってくれまして、2003年、兄太一郎と共にチームけんしんを立ち上げ、実業団連盟に登録しました。スタート時は成績がふるわず全部予選落ちという感じでした。もちろんチームである以上、目標として勝つことは命題ですが、楽しむことも大切にすることを方針としていましたので、、会場でもいつも明るくふるまい、他のチームにもちんすこうを配ったりしてコミュニーケーションをはかっていました(笑)。そして、2年を経た頃から、次第に決勝に残るようにもなっていきました。
 勝太 単に身体能力だけではないんですね。心理戦といいますか、展開によって強い選手にも勝てるし、何があるかわからないことも魅力だと思います。
太一郎 敵が味方になるし、うまく相手を利用して勝ちに持って行く。弟が言ったように、頭脳プレーも大切な要素です。面白いですよ。また、天候にも左右されるところもあり、自然の声を聞きながら自転車と一体になり、走っている時は最高です。
 勝太 おかげさまで、2007年、全日本実業団自転車選手権(ケイリン)で初優勝させていただきました。実は、東日本大会で敗退したのですが、特別推薦枠で復活しての優勝で、ラッキーでした。これをきっかけに、一度はあきらめた競輪学校への夢が復活しました。2006年より年齢制限が撤廃されまして、29歳での再挑戦がスタートします。合格を知った時はうれしかったですね。プロの中には50代後半で頑張っていらっしゃる方もいらっしゃいます。今年、30歳を迎えますが、競輪学校に入学してから成長していき、50代まで現役で走っていきたいですね。

太一郎 僕は、チームけんしんを盛り上げながら、自分自身も選手として努力していくと同時に、沖縄県の自転車競技の発展のために頑張っていきたいと思っています。沖縄県自転車競技連盟の事務局長という立場にありまして、毎週日曜日の午前中には泡瀬の競技場で愛好会の指導をしています。下は小学生から一般の方まで、年齢層も幅広く、自転車を楽しんでいます。2010年には沖縄で開催される全国インターハイの強化担当者として指導に当たっています。現在、自転車専門会社に勤務しながら、連盟の業務もこなしており、自転車一色の毎日です。
勝太 メカニックとしての太一郎の技術はピカ一ですよ。それは、走っている人間の気持ちがわかるからだと思います。後輩の育成に期待したいですね。僕も選手として頑張りながら、兄と一緒に沖縄の後輩の育成をしたいと考えます。
太一郎 2003年に自転車が好きで集まったチームけんしんは、現在10名。4年で勝太の競輪学校入学といううれしいニュースをお届けすることができました。沖縄でトレーニングを積みながら、全国の舞台へ出ていけることは、大きな自信になりました。これからも、明るく楽しむ姿勢を忘れず、チームけんしんを軸に、自転車を啓蒙していきたいと考えています。 |