ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


 看護師になりたいというおぼろげな憧れもあって、高校生の頃、夏休み期間中に病院でアルバイトする機会がありました。その時、病院の中で違う動きをする方がいたんです。リーダーシップをとって妊産婦さんにアドバイスする姿が、とても印象的でした。その後、本土の看護学科に進学し、実習で行った病院で、高校生の頃に出会ったあの動きと同様の方を見かけました。そこで、助産師の具体的な仕事を知ることになったのです。生命の誕生に関わる素晴らしい仕事だなと思い、いつかはと思っていました。帰沖して看護師として働き、勉強して助産師の資格を取得。結婚し第1子出産まで、病院勤務の助産師をしていました。



 第3子まで次々出産しましたので、しばらくは子育てに集中していましたが、今から約7年前にお声をかけていただき、那覇市嘱託助産師となりました。主に、赤ちゃんをお持ちのお宅に訪問して、相談をお受けするという仕事なんですが、ちょうど那覇新都心が注目を集め始めた頃で、本土からの転勤族のお母さんが増えてきていました。そこで、見たのはマタニティブルーでふさぎ込んでいる何人もの孤独なお母さんの姿でした。あるお母さんは、昼間なのに部屋が暗く、話しを伺ううち、涙がポロポロあふれて来たんです。核家族化や少子化が進み、小さい子にふれないままお母さんになるという例が増えていまして、とくに転勤したばかりだと、友達もまだいない状況ですから、かなり精神的に追い詰められてしまうこともあるんです。このような中、赤ちゃんのことを教えて欲しいという要望が、次第に増えていきました。そこで、2006年、新都心のショッピングモール内で、ベビーマッサージ教室をスタートさせました。それも手狭になり、時間制の施設を借りたのですが、受講者が急激に増え、毎回セッティングするのも大変になったので、サロンとしてベビードットマムをスタートさせることにしました。



 通常の助産師の役割は、病院に勤務するか、助産院を開いてお産をみて、産後の相談やケアを行うという形態です。首都圏では、助産師が複数で結成し、エクササイズを中心とした活動を行うなどさまざまなスタイルがあるようです。私どもでは、「赤ちゃんをきちんと育てる」という基本路線をコンセプトに、これに必要であれば随時、コースを取り入れるという姿勢を取っています。具体的なクラスとしましては、産まれる前の「マタニティクラス」には2クラスあり、「胎教クラス」では、お腹の中の赤ちゃんのことを知るためにDVDを見ながら、赤ちゃんの能力について勉強します。よく、スポーツでイメージトレーニングが大切だといわれますが、お産も同様なんです。「イメジェリー」と呼ばれる方法で、お腹の中をイメージしてもらい、「安心して産まれてきてね」と、お腹の赤ちゃんとコミュニケーションを取っていくんですね。「胎児マッサージ」は、お腹の上から赤ちゃんのイメージをしながら胎児マッサージをしていきますが、これは妊娠線予防にもよく、家ではご主人の手でやってもらいます。お母さんのためになることは、赤ちゃんのためになるという考えなんです。「出産直前クラス」は、妊娠34週以降の方が対象で、毎週行っているので、病院のクラスに出席できない方に喜ばれています。また、出産した後は、2ケ月位から「ベビークラス」を開講しています。上質な植物オイルを用いて、赤ちゃんの健康によいマッサージを勉強しています。また、初めての子育てだと不安でなので、ちょっと具合が悪そうだなと思ったら救急病院に駆け込んだりしがちですが、結局待ち時間にもっと具合が悪くなったりという例も多いんです。その見極めや対処法なども教えています。また、脳の発達の勉強をしながら発達に合致した働きかけの方法を学んでいただき、その1つとして絵本の選び方や読み聞かせの方法を指導しています。さらには、産後のお母さんにふさわしい栄養の知識も学んでいただきます。産後の身体調整、母乳のよく出るストレッチなども行っています。「やさしいママのホームケアクラス」では、毎日の健康に関する知識を指導しています。「クッキングクラス」では、料理大好きなお母さんに協力をいただいています。初めて離乳食を作るお母さんは不安でいっぱいです。料理本と首っ引きで頑張って結局赤ちゃんが食べてくれなかったと落ち込んだりする例もよく聞きます。大人の食事と同じベースで取り分けて作る方法など、実践で作ってきた料理を教えており、その際に栄養の知識も補足しながら行っています。その他、お声をかけていただいて小学校の性教育講習会などの講師も務めさせていただいています。4月からは、「しつけと叱り方」のクラスがスタートします。  これまで出会った多くの方々、例えば医師、保育士、歯科衛生士、栄養士、薬剤師など多くの皆さんとのネットワークがベビードットマムを支えています。まだ設立して1年ですが、今後はこのネットワークを有機的に活かして相互に活動していきたいと思います。



 およそ150人のお母さんとお会いしてきましたが、各々にオリジナルのエピソードがあるんですね。印象的だったのは、「出産後にイメジェリーのおかげで赤ちゃんがスッキリとした表情で産まれてきました。ありがとう」という声をお聞きした時は、この仕事をしていてよかったと思いました。また、新生児訪問で伺った時、「実家は本土。夫が手伝ってくれない。赤ちゃんとふたりで毎日泣いてます」という方がいまして、お声をかけたら、サロンにいらしてくださって、メキメキ明るくなっていった時もうれしかったですね。

 生命の誕生の現場で、かわいい赤ちゃんとお母さんの喜びのシーンに関れることは、とても素敵な仕事だと思います。ぜひ、門を叩いてください。

 先輩方から受け継がれてきている技術・知識を基本に、新しい技術・知識を取り入れながら、「赤ちゃんをきちんと育てる」という基本を置き、なおかつ楽しく育児をするという目標を揚げて活動を続けていきたいと考えます。微力ではありますが、スタッフとともに助産師として、妊娠、出産、子育て、性教育、更年期まで、女性の一生に関わるお手伝いをしていきたいと考えています。  要望が多いのは、いつでも気軽に利用できるシステムにして欲しいということなんですね。現在は、時間で区切ったサロンシステムになっていますので、近々にはお母さんと赤ちゃんによいグッズなどがあるショップそして身体にいいティールームを併設したサロンができればと考えており、専門家向けの講座や要望の多いマタニティアロマトリートメントの講座も視野に入れています。

 

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 4月に中学3年生になる長男を筆頭に3歳の末っ子まで、男の子4人のお母さんでもある石川さん。明るくあたたかな人柄と専門知識を持った地域の頼れる存在といったポジションが既に確立している様子です。石川さんの今後の活躍、楽しみです。

 
●パーソナルデータ●
  

出身地/那覇市 
趣味/ガーデニング
好きな言葉/すべてのことに時がある

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  2006/ベビードットマムスタート
   
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