ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


 小学生の頃、ハワイに住んでいた祖父の姉が療養のため我が家に5年ほどいたことがありました。その時、キルトをいくつか持って来ていて、今思えばそれが小学生の私にはとても素敵に映ったのだと思います。その前から、インテリアがとても好きで映画を見てもストーリーよりもむしろ背景やグッズに目を向けているような子どもで、外国のインテリア雑誌に興味津々という感じでした。そんな映画や雑誌で見たキルトを自分で作ってみようと思い、小学2年生の時、家にあるハギレを使って自己流でチクチクやり始めたんです。小学5年生の時には、自分でパターンを作り始めました。私の基礎はこの頃に作られたと思います。  好奇心旺盛なタイプなので、中学、高校と進むにつれ、テニスなど他の興味も出始めましたが、平行してキルトはずっと続けていました。高校卒業して、他の仕事をせずにキルトをずっと続けていきたいと考えていたところ、知り合いから教室でいっしょに教えてくれる人を探しているというお話しをいただき、19歳の時、沖縄市でキルトを教え始めました。それから3年後には、北谷町の現在の教室に移転し、今年で21周年になります。



 私のキルトの関わり方は、2つに大別できると思います。ひとつは教えること、ひとつは作ることです。キルト三昧の毎日ですが、このふたつは表裏一体となっており、意識の持っていき方が全く異なるんですね。まず、教えるということ。これは、私が持っているノウハウを生徒さんの感性に合わせて楽しみながら完成へと導いていくわけですね。ゼロからスタートして、迷いつつ、悩みつつ、がんばって出来上がった時のうれしそうな笑顔を見ると、教えることの喜びとキルトが人に与える力を感じます。キルトは、必ずしも完成した作品に価値を見い出すものではないと思うんです。制作プロセスの一針一針チクチクと進めていく時間がとても貴重だと思うんです。今の世の中って、誰でも日常は追われていますよね?教室に通われる生徒さんも、主婦だったり働くお母さんだったり、皆さん、毎日大切な役目を担っていらっしゃるわけですが、ここにいらっしゃる時は、キルトを手元にしながら、ゆったりと談笑して自分の時間を満喫して本当に楽しそうです。そんな場となっていることは、私のやりがいだといえます。  もうひとつ、私自身が、キルトを作ることについてですが、日々、教える立場にあると物理的に自分でキルト制作の時間を確保することは、なかなか厳しいものがあります。私は、80歳までをキルト教え、そして一生作っていきたいと思っていますが、作りたいテーマが次々あふれてきて、なかなかこなすことができません。ノートには200ほどのアイディアがあります。この前、一生キルトを作ると仮定して、どれ位キルト制作に時間があるだろうと計算してみたんですね。すると、全く時間が足りないんです。そこで、教室が始まる前、起床後、6時から7時半まで、自宅で早朝キルト制作をスタートさせました。朝独特の爽やかな空気の中のキルト制作はとても気持ちがいいものです。休日は、8時間キルト制作に没頭していますが、リフレッシュ時間も大切にしています。休日の教室の庭で、朝6時から午後1時までひとりで草花の手入れをする時間は癒されますね。また、月1回、庭で仲間と開くその名もDOP(ダッチオーブンパーティ)も楽しみのひとつです。後は、小学生の頃から続いている映画鑑賞と読書からは、キルトのヒントをいっぱいもらっています。このように考えると、私の日々の生活は、いかにキルト制作を充実させていくか、これが中心となっているようですね(笑)。



 まず、かわいいということ。加えて、ひらめきで1枚の布から、世界を作っていけるということでしょうか。私が展開しているテーマの一部でいいますと、まず「不思議の国のアリスシリーズ」があります。これは、ストーリーに出て来る印象的なチェックボードやトランクなどをモチーフに制作しています。その他、「苺シリーズ」、「ドールハウスシリーズ」、「キャット&ドッグシリーズ」、「ピンキーピギーシリーズ」などがあり、各々のコンセプトが常に頭の片隅にあって、布との出会いでインスピレーションを感じた時に、作品がスタートします。想像力と創造力が働くこのプロセスはとても魅力的です。  キルトはアメリカでスタートしたものですが、日本にキルトが広まってから新しくジャパニーズキルトというカテゴリーが確立しており、日本人独特の繊細な感性が織り成す世界は、今後ますます注目されていくと考えられます。



 そうですね、キルターのライフスタイルやキルトツールに関するアイディアなどを網羅した「キルトの本」を制作しようと思い立ち、10年かけてやっと完成の日の目をみました。次は、初の展示会を開きたいと考えています。「えっ、定期的に展示会してないんですか?」と驚かれますが、私自身そして生徒さんもあまり、そういうところに意識が行ってないんですね(笑)。20年も超えたのでそろそろやりますかという感じです。現在、生徒さんは130名位いまして、皆さん長く通われている方が多いので、かなり面白い展示会になるかと思います。  小学5年生からスタートして、ずっとキルトとともに歩んできましたが、これからも変わらず、ずっとキルトを「教え」、「作る」という毎日を続けていくことが夢であり目標ですね。

 

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 全体のイメージは洋書に見られるようなアンティークな世界、でもどこかに「和」そして微かに「琉」をも感じる独特の伊波ひとみメソッド。専門誌に掲載されると、全国から問い合わせがあるという、沖縄を拠点にする人気作家のこれからが楽しみです。

 
●パーソナルデータ●
  

出身地/うるま市石川
趣味/映画鑑賞 読書
好きな言葉/ありがとう

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  1984/キルト指導スタート
   
back

Copyright 2000-2006 Passion. All rights reserved.