インキュベーションと一言で言いますが、大きく分けて3つの段階があります。第1段階はプレインキュベーションで、起業窓口相談・起業家セミナーなどまだスタートラインにも立っていないプロセスにおいて支援を行っていく段階、第2段階がメインインキュベーションで、がっちり支援していくプロセスです。このプロセスで一人歩きできるまでに育った企業を那覇市内に残ってもらう次のプロセスが第3段階のポストインキュベーションで、ここまで来て、本来の目的が達せられるのです。 今から約10年程前、新しい産業を日本に創造していこうという機運が高まっていき、全国に起業家育成や事業支援の輪が広がっていきました。その中にあって那覇市は、沖縄県マルチメディアアイランド構想において、情報通信関連産業が沖縄県におけるリーディング産業と位置付けられたことを受け、その振興と集積に取り組むことで、コールセンターをはじめとする企業が続々進出しています。これは那覇市が全国の地方の中でも積極的に、起業家育成・事業支援に取り組んで来た成果だといえます。那覇市IT創造館が本格的に、情報関連産業の振興のコアとなる機関として動き始めて約5年を経ました。その積み重ねによって、現在、重点項目としているのが、第3段階のポストインキュベーションです。順調に育ってきた成鳥を那覇市内において巣作りをしてもらうためのバックアップを行っていこうというものです。もちろん、同時進行で、第1段階、第2段階のプレインキュベーションにも力を注いで参りますが、確実に強固な足固めができてきている段階にあると自負致しております。 那覇市IT創造館を核とした5年間の成果として、ベンチャー企業、誘致企業、県内既存企業間交流による有機的コラボレーションも続々誕生し成功しており、今後は、この企業間コラボレーションの促進に拍車をかけて参りたいと考えます。 このような中にあって、誘致企業へのアピール材料として、急務は人材育成でありました。とくに、海を越えて沖縄にやって来る企業にとっては、大きなリスクがつきものですし、進出に際して慎重にならざるを得ません。とくに、優秀な人材の有無は大きな条件となります。そこで、那覇市が行ったのは、人材育成に対するこまやかな対応です。県外の企業が必ず聞いてくるのが「我々が採用するにあたり人材のポテンシャルがありますか?」という質問です。そこで、「はい、あります」と胸を張って答えられる状況にしないといけない…。ITというと、難しそうという先入観によって、求人があってもなかなか集まらないという状況にありました。IT関連業務と一言でいいますがその職種は幅広いものがあります。そこで、我々が取り組んだのが、比較的専門性を必要としない職種について、その職種を理解させるためのわかりやすいアプローチでした。例えば、「セミナー」というネーミングを「トークライブ」としました。求人される企業としては、「その職種が必ずしも最初からできなくともよい、その職種の中身を理解していればよい」ということなのです。理解さえしてくれれば、採用してからの訓練で対応できるというのです。「トークライブ」は、笑いに包まれた楽しく和やかなもので、毎回、好評を得ています。今後、対象は幅広く、専門学校から高校、中学、さらには小学校にまで広げていきたいと思います。職業意識は早いうちから実践しなければならないんですね。一方、高い専門性を持つ人材を育成する軸となるのは地域の「学」ですが、那覇市は、琉球大学をはじめとする県内大学、沖縄国立工業専門学校、情報系専門学校との連携をさらに強めたいと考えています。このように、地域人材を育成するには、企業のニーズを聞き、そして、よりよいマッチングを可能にする施策を行うという地道な努力が必要なのです。結果、企業が、恒久的に那覇市に残り、相互に発展成長できるというわけなんです。これまで、約20社の起業、事業支援、約70社の企業誘致に関わりましたが、これらの企業の今後をサポートし、新たな企業の支援を行っていくとともに、雇用面においても微力ながらお役に立ちたいと考えます。
那覇市はIT企業の支援をスタートし5年を経て、地固めができてきたと考えます。現在、那覇市の第4次総合計画審議会や情報化推進計画に関わっていますが、持続発展を目指して参ります。同時に、今後はインキュベーション・マネジャー(IM)の後進の育成を行っていきたいと考えています。また、21ケ所ある沖縄県内のインキュベーション施設の横の繋がりを密接にし、相互に高め、県全体の活性化をはかることも目標のひとつです。
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◎取材を終えて… |
●パーソナルデータ●
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出身地/大阪府
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●オーガニゼーションデータ●
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| 2007/日本新事業支援機関協議会
ビジネス・インキュベーション部門奨励賞受賞 2008/日本新事業支援機関協議会認定 シニアインキュベーション・マネジャー取得 |
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