ぱっしょんリーダーに聞け! 


  



  


 僕らが15、6歳の頃、ジャズ喫茶が流行していて、そこで音楽を楽しみながら濃いコーヒーを飲むことがカッコよかったんですね。それが出会いかな?また、大阪万博の際には、実家にエチオピア館の政府高官がホームステイしたことがありました。我が家でエチオピア産のコーヒーをふるまってくれました。あまり意識したことはありませんでしたが、こうして若いうちにコーヒーと出会っていたんですね。(笑)  僕は16歳でモトクロスレーサーとなり、18歳でカーレーサーになったのですが、創成期だったその時期は、テストが繰り返されるという毎日でした。実験台のような状況に、次第に嫌気がさしてきて24歳できっぱりとやめて、世界を見ようと決め、海外に飛び出しました。実家が電気関係だったこともあって、サイパン、パラオ、グァム、カリフォリニアなどで、無線機販売・修理の仕事をして、その後、ハワイにいる親戚を頼ってコーヒー栽培の仕事をするようになりました。ハワイでのコーヒーとの出会いは大変大きく、結果、コーヒーが僕の人生を変えてしまったんですね。



 若い頃、南洋等に旅に出る際、当時は沖縄に立ち寄る必要があったんです。また、家電販売店を営む大阪の実家には、沖縄の方が何人も働いており、沖縄に対して親しみがありました。  コーヒー園を開きたいと考えた時、その条件を満たす必要があるわけですが、その条件に沖縄がぴったりはまったんですね。コーヒー栽培の条件としましては、雨がたくさん降ること、日当たりがいいこと、適度な日陰があること、酸性土壌であること、朝晩の寒暖差があること、霜が降りないことなどがあげられます。ブラジル、メキシコ、コロンビア、エチオピア、ベトナムなど、世界のコーヒーの名産地も、この条件に入っており、赤道をはさんで南北25度幅となっており、世界のコーヒーベルトといわれています。沖縄は、北緯27度にあり、まあ、コーヒーベルト範囲内でもあり、その中でも東村は先に述べた条件にあてはまっているんです。20年前に来沖し、当初、北谷に拠点をおき、キャンピングカーに乗って、沖縄を3周し、情報収集しました。やんばる路を行きつ戻りつして、土地を探し、現在の場所を見つけた時は、ここだと直感しましたね。  息子と共にコツコツと植え付けを始め、スタートから今年で15周年 となりました。今では200坪と1000坪の畑でコーヒーを栽培しています。



 誰でも安心して飲めるコーヒーをめざしています。豆の種類はアラビカ種という世界のコーヒーシエアの80%を占めるものとなっています。また、身体にいいコーヒーをめざして、無農薬としています。現在の収穫量は年間1tとなっており、はるばる東村までいらっしゃるお客様に販売しながら、後は、インターネットによる通販となっています。来店されるお客様は、コーヒー片手に物思いにふける方がとても多く、なるべくそっとしておくようにしています。コーヒーと山の風景に癒されたなどという声をお聞きすると、うれしく感じます。自家栽培・自家焙煎すべて手作りがヒロコーヒーファームの特徴だといえます。  現在、ある化粧品メーカーへ、コーヒー豆の実の皮であるチェリーを提供しており、研究段階にあります。保湿効果があるようで、今後期待されるところです。  コーヒーを楽しんでいただく空間の一部の床には、焙煎ではじかれた豆を床に敷き詰めており、ザリッとか、バリッという音と足元の感触が面白く、またコーヒーの香りも立つんですね。この空間は、身障者の方がくつろげるようになっており、高齢者の方がご家族と共に訪れ、コーヒーを楽しんでくださっています。ふみしめられた豆は、次に肥料になります。ヒロコーヒーファームには、捨てるものはないんですね(笑)。

 3月から8月は花の咲く時期となっており、中でも4、5月は無農薬で栽培している僕らにとっては、とくに虫がつきやすい時期なので、手作業で虫取りをするため、とにかく見回りを行っています。そんな時期を経て、12月末から5月末の収穫の時期を迎えます。繁忙期には、全国から助っ人がやってきます。それは、ヒロコーヒーファームのことをインターネットで知り、以前、研修を受けた者達なんです。コーヒーのイロハを学び、将来はカフェを開きたいという者やコーヒー園を開きたいという夢を持つ者達で、今やいいコーヒー仲間といったところでしょうか。コーヒー作りを学びたいという方は、年々増えており、とくに最近は県内の定年退職された方が目立つようです。コーヒーは、植えてすぐに答えが出るものではありません。時間が必要な植物なんですね。沖縄は台風もありますし…。このお話をすると、大変なんだなという反応が返ってきますが、人に癒しの時間を与えてくれる夢のある存在であることが大きな魅力。まあ、興味をお持ちになった方には、これからもお教えしたいと思っています。  昨年より、コーヒー作りをしている仲間で連絡会を結成しました。会員は北部だけで5名おり、苗分け、畑の状態を見てのアドバイスを行っています。これによって、会員同士の連携がはかれ、情報交換が可能になりました。できたばかりですが、今後はさらに活動を活発にしていきたいですね。

 5年スパンで計画を実行しており、スタートから5年で店を出しコーヒーを飲んでもらうという目標を実現し、10年目には、台風対策のための防風林を設置、15年目には2回目の補修を行いました。20年目には、現在の収穫量を現在の1tから2tにし、外販ができるようになることを目標としています。よく、那覇でも飲める空間を作ってくださいなどといわれますが、既に那覇でカフェを開いた研修生出身者の店に出してあげられたらいいなと思っています。  コーヒーは一代で完成するものではありません。次へバトンタッチするように、僕が土台になって、次の世代に繋いでいけたらいいですね。

 
  
 
  








  

◎取材を終えて…
 時間の流れがここだけ異なるようなゆったりとした空気感とコーヒーの香りがくつろぎを与えてくれます。コーヒーを、作る、楽しませる、多目的に使うなど、今後の沖縄の農業のヒントがたくさんあるヒロコーヒーファームでした。

 
●パーソナルデータ●
  

出身地/大阪府
趣味/ドライブ・ボート
好きな言葉/辛抱

  
  
●オーガニゼーションデータ●
  1993/ヒロコーヒーファームスタート
   
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