
出前講座は2007年度からスタートし、現在全14講座を用意しています。私が担当している「フェアトレードって何?」に関しましては、前段階として、「平和学」の講義を受講した学生を中心に2005年10月に発足した「NGO ONE LOVE」の存在をあげさせていただきます。これは、それぞれの違いや多様性を認めながらも、ONE(ひとつの)LOVE(愛のもと)に集い、地域・国際社会へと広く貢献していこうというものです。発足から1ケ月後の11月には、貧困解決の手段として、現在世界的に注目を集めている「フェアトレード」を通し、「キリ学祭」で国際貢献活動を行いました。2006年3月には、足元である沖縄を知るバスツアーを自主企画し、基地問題、歴史、文化など地域の抱える問題を学習。6月には「国際関係論」でフィリピンについて学んだ講義受講者による自主勉強会を立ち上げ、県内福祉施設や医療施設で、食事介助講習を受け、9月にはフィリピンへの研修旅行を実施し、マザーテレサのホスピスや孤児施設、現地NGOの活動を視察しました。帰国後の11月には「キリ学祭」にて、フェアトレードショップ&カフェを開き、フィリピンのバナナ農園の現状をテーマとした体験型の教材を作成しました。12月には、フィリピンのスラムを対象とした「フィリピン・フレンドシップ・プロジェクト」を企画。JICAへ活動助成金を申請、採択されました。
このように、ひとつの講義がきっかけとなり、学生達が自主的に動いて行ったんですね。私はあまり口を挟まず外側から眺めて、困った時は相談にのるというスタンスできています。このような伏線があったものですから、大学が高校生へ向けて出前講座を実施するという企画がスタートした時も、自然に学生が動いていきました。高校生にとって学生は、年齢も近いことから、私のような立場の者が出かけていくよりも、親近感があり、話しやすいようで、気軽に質問なども出ているようです。紙芝居や写真などビジュアルを中心にした説明は、分かりやすいようで、キラキラと目を輝かせて聞いている様子を見ていると、高校生と大学生を繋ぐことが、いかに大切か実感できます。高校生は、自分の中にあった自主性や国際感覚に気づくとともに少し年上の先輩が頑張っている姿に、自分にも可能性があるかもしれないという希望を抱くようです。一方、大学生は自分達の活動を理解してくれる後輩に教える立場となることで自信をつけているようです。双方に、あきらかに進歩がみられる、これは有意義なことだと思います。

入学式を終えて、国際平和文化交流センターに、ONE LOVEに入りたいという学生が訪ねて来たのですが、高校生の時、出前講座を受けたいう学生がいました。これはうれしかったですし、先輩となる学生達も喜んでいました。まだスタートしたばかりですが、成果が出ており、今後、さらに繋いでいきたいと考えます。
出前講座で高校生にレクチャーした学生が、これをきっかけに、教育の道に進むことを決意したという報告も受けました。受ける側、教える側双方に成果が出て来ています。
 高校卒業後、アメリカの大学に進学。当初、専攻は心理学でしたが、在学中、南アフリカのアパルトヘイトに関心を持ち、人権問題に取り組むようになり、大学院の修士課程ではアメリカのマイノリティを研究しました。この根底にあったのは私がウチナーンチュであるということがあったと思います。沖縄を離れて初めて自分がウチナーンチュであることを意識したのです。本土から来た学生に「へえ、沖縄なんだ」と驚かれることに違和感を感じ、国は?と聞かれた時、ジャパンと答えることにも抵抗を感じていました。沖縄にいた高校生までは、沖縄音楽など聴くこともありませんでしたが、移民のおじいさんが弾くサンシンの音色にひかれ、サンシンを弾き始めるようにもなりました。日本の中のマイノリティーである沖縄を、外に出て他者と出会うことによって意識するようになったのだと思います。そこで、アジアのマイノリティーに目をむけるようになったんですね。一度、外へ出ることによって自分自身が見えて来るということもあるかもしれませんね。

現在、フィリピンとネパールにおいてフェアトレード活動を行っています。主導は学生。自主的に現地でビーズなどの材料を購入し、みんなでデザインを考え、現地の方達が手作業しやすいように図面を書いてくるんですね。できあがったら沖縄に送ってもらってフェアトレードショップで販売し、売り上げを現地に送金するという形をとっており、進学資金にしたといううれしい報告も受けております。
まだまだスタートしたばかりですが、今後も、若い学生が自主的に動ける環境作りをしていきたいと考えます。売り上げは全額寄付、年2回の訪問は自腹でみんなアルバイトで資金を稼いでいます。そんな学生の気持ちに応えなければという思いでいますが、結果、すべては学生の力なんですね。
過ぎた20世紀は暴力の時代と言われていますが、始まったばかりの21世紀は、平和の時代にしなければならない…。その思いを受け継いでくれる若い世代の育成は我々の責務だと考えます。思いを繋ぐ若者が次々活動に入ってくれることが、夢であり目標ですね。
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